2023/02/02

tokyo_3701


tokyo_3701

九段, X-Pro3, XF35mmF1.4
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写真展をふたつ、観てきました。

ひとつめは、渡部さとる写真展「da.da jin monochrome」。
2022年に松本広域連合(松本市、安曇野市等8市村の集まり)が作者に依頼して「da.da」というカラーの
写真集を作りました。今回の展示は和紙にモノクロで出力したプリントが展示されていました。
写真集と同じカットや違うカットが並びます。
サイネージにも表示されている炎を撮った不思議なカットは、展示のプリントでは全く異なって見えます。
ほかには、体育館、それに馬小屋の馬のプリントがグラデーションが美しくとても印象に残りました。 
和紙の特性なのでしょうか。プリントとの距離を少し変えるだけで見え方が全く変わります。
これはちょっと初めての経験でした。

ふたつめは、中山優瞳写真展「海の向こうに」。
日大芸術学部に通う作者が撮ったのは、痴呆が進む祖母。ヤングケアラーとして作者自身が祖母の面倒を
みているそうです。
穏やかで優しい顔、怒りを含んだ顔、そして何の感情も読み取れない無表情な顔。海の見える素敵な家の
風景を挟んで祖母の写真が並びます。
写真には過酷さや悲惨さは一切ありません。淡々と冷静に撮ってセレクトしたのだろうと感じられます。
食事の後であろう、床に落ちたひと切れの赤いトマト。 そして最後に展示されていた、少年野球の選手
たちと祖母の写真が心に残りました。