滝野川, X100V
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「黒い十人の女」を観てきました。 都内の35mmフィルム上映で鑑賞しました。 市川崑が「自由に撮っていい」と言われて1961年に製作した一本。サスペンスなのか、ブラックコメディなのか、 はたまた不条理映画なのか、不思議な映画です。 モノクロワイド画面。主だった出演者がアップやバストサイズで陰影を強調したライティングで次々と映し出され る印象的なタイトルバック。 本編も印象的なアングルとライティング、それに細かいカット割りの積み重ねで映画が進みます。音楽も印象的で スタイリッシュな映画に思えます。ストーリーは浮気グセのあるTV局プロデューサーと本妻、そして9人の愛人 たちの愛憎物語。 山本富士子、岸恵子、それに中村玉緒。皆、上手い。役にあった台詞回しをきっちりとやる。そんな女優さんを観 ていると映画に引き込まれるてしまいます。岸恵子のクールさがかっこいい。 救いがたいだらしない男を演じる船越英二。のちの「時間ですよ」の原点がここにあるような気がします。 伊丹十三が伊丹一三名義で、またクレイジーキャッツがワンカット出演していました。